“人材難”の中継ぎ左腕「名前が浮かばない…」 名伯楽・佐藤義則氏が選ぶ侍ジャパン

外国の投手は日本の投手と比較して「クイックが下手」

 21歳の宮城は、新人王に輝いた2021年に続き、2022年も山本に次いでチーム2位の11勝を挙げリーグ連覇に貢献。25歳の高橋は2021年日本シリーズ第2戦でプロ初完投・初完封を成し遂げ、2022年には自己最多の8勝をマークした。若い左腕の2人にとって、WBCの大舞台がさらなる成長のきっかけとなる可能性もある。

 総じて「日本の投手陣のレベルは高い。1試合に5点も6点も取られるとは思えない」と佐藤氏。となれば、「打線が何点取れるか」が勝敗を分けるのは自明の理だ。特に米国代表の投手陣は、サイ・ヤング賞3度のクレイトン・カーショー投手ら豪華な顔ぶれが揃う見込みで、メジャーリーガー不在だった東京五輪の時とは比較にならないほどの難敵となる。

「打線はヤクルトの村上宗隆内野手を不動の4番に置き、カブスの鈴木誠也外野手に3番か5番で村上をフォローする役割を任せたい。MLBの投手は球が速い上、上背があって、日本ではなかなか見られない角度で投げおろしてくるので厄介。ある程度慣れている鈴木の存在は貴重です」と語る。

 二刀流の大谷の起用法も、当然ポイントとなる。「投手として先発する試合はピッチングに専念してもらい、その他の試合ではDHで打線に入ってもらうのが理想でしょう。メジャーでの実績から言って、大谷にも打ってもらわないと困ると思いますよ」と佐藤氏は見る。

「外国の投手は概して、日本の投手に比べるとクイックが下手で、セットポジションの時でも大きく足を上げて投げる投手がいる。足の速い選手をそろえて隙を突けば、点数が取りやすくなると思います」とも。2022年に30盗塁で2年ぶり3度目の盗塁王に輝いた阪神・近本光司外野手、同24盗塁のヤクルト・塩見泰隆外野手をその候補に挙げた。レベルの高い投手陣で失点を最小限にとどめ、機動力を絡めて得点をもぎ取る──それが侍ジャパンの必勝パターンとなるかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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