“人材難”の中継ぎ左腕「名前が浮かばない…」 名伯楽・佐藤義則氏が選ぶ侍ジャパン

侍ジャパン・高橋奎二(左)と宮城大弥【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・高橋奎二(左)と宮城大弥【写真:荒川祐史】

オリックス宮城大弥やヤクルト高橋奎二は「リリーフで使えると思う」

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、エンゼルスの大谷翔平投手、パドレスのダルビッシュ有投手らが出場を表明。侍ジャパンの骨格が見えてきた。現時点で識者が選ぶベストメンバーとは──。かつてコーチとしてダルビッシュ、田中将大投手を育てた佐藤義則氏に投手起用などを聞いた。

 佐藤氏は現役時代に阪急・オリックスで通算165勝を挙げた後、オリックスを皮切りに阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクで投手コーチを歴任。数々の好投手を育てた実績がある。WBCについては「大谷、ダルビッシュ、オリックスの山本由伸投手あたりが先発の軸になるでしょう」と予想する。

「その他、2022年にNPBで好成績を残した投手が選ばれると思いますが、過去の国際大会を見ても、スライダーなど横の揺さぶりを身上とする投手は、米国をはじめ外国の選手に結構打たれている。阪神・青柳晃洋のような投手のスライダー系の球は、若いカウントでは相手が思い切り振ってくるから空振りを取れるが、追い込んでからはリーチが長い分、外のボールにも届いてしまう傾向がある。タイムリーを打たれるケースが目立ちました」とも指摘する。

 青柳は2022年のセ・リーグで最多勝、最優秀防御率、勝率第一位の3冠に輝いた。外国には珍しい、低い位置で腕を振る投手だけに、国際大会向きとの見方もあるが、2021年東京五輪ではリリーフで2試合に登板し計1回2/3で5失点と結果を残せなかった。「逆にフォークなど縦の変化を得意とする投手の方が、効果的に空振りを取れて有利ではないかと思う」というのが佐藤氏の見立てだ。

 また、侍ジャパンが3大会ぶりの優勝を目指す上で1つの鍵になると見ているのが“左の中継ぎ”。「今の日本には、若くて球の速い右のリリーフ投手がたくさんいるが、左となると名前があまり浮かんでこない」。そこで佐藤氏は「普段は先発をやっているオリックスの宮城大弥投手、ヤクルトの高橋奎二投手もリリーフで使えると思う。短いイニングでもよし、調子が良ければ、そのまま長いイニングを任せることもできる。当然スタミナに心配はない」と提言する。

外国の投手は日本の投手と比較して「クイックが下手」

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