計算できる先発は2人、立場厳しい若手野手 Bクラスも大型補強なし…巨人の課題
相次いだ外国人投手補強は当然、育てながら勝つ野球の実現へ
2022年シーズンは5年ぶりBクラスに終わった巨人。2023年シーズンに向けて、目立ったFA補強はなかった。ここまでの新戦力は、広島から長野久義をトレードで獲得したほか、ソフトバンクを退団した松田宣浩や、合意した新外国人の3投手。V奪回を目指す中でも、育成と勝利を目指す戦いは変わらない。ただ、明確なのは育成の“主眼”となる若手であっても、チャンスはそう多くは残ってはいないということだ。
2023年の内野の予想布陣から見てみる。捕手・大城卓三、一塁・中田翔、二塁・吉川尚輝、三塁・岡本和真、遊撃・坂本勇人と、2022年と大きくは変わりそうにない。この5選手を脅かす若手は果たして出てくるだろうか。中田、坂本は年長の域には入っているが、練習量や経験値はまだまだ他の選手には負けてない。
捕手は小林誠司、岸田行倫が大城の状態次第でスタメンのチャンスが増えてくる。内野は北村拓己、廣岡大志、中山礼都、新人の門脇誠らがバックアップで控える。若手や中堅世代はレギュラーを追い越していくしかない。
外野も多くの枠が用意されているわけではない。左翼にウォーカー、中堅と右翼を丸佳浩、梶谷隆幸、松原聖弥、そして今後、補強も検討される新外国人選手らで争う。他にも重信慎之介、石川慎吾、長野、秋広優人、ドラフト2位の萩尾匡也、そして現役ドラフトで楽天から移籍のオコエ瑠偉らがいるが、レギュラーのハードルは高い。
投手陣では新外国人としてビーディ、メンデス、ロペスを次々に獲得した。積極補強も当然のことだ。ローテーション投手で計算できるのは菅野智之と戸郷翔征の2人だけ。山崎伊織、堀田賢慎ら魅力ある若き投手たちの奮起に期待はかかる。野手陣に比べれば、若手にチャンスはありそうだ。
大久保博元1軍打撃コーチ、鈴木尚広1軍外野守備走塁コーチと新たな“スペシャリスト”も加わった部分は心強い。いずれにせよ、巨人の宿命である“育てながら勝つ”野球を実現するためには、現有戦力の底上げしかない。
(Full-Count編集部)