大不振のイチローを「放っておいた」 WBC世界一コーチが語る“侍Jが優勝するための鍵”

第2回大会に出場したイチロー【写真:Getty Images】
第2回大会に出場したイチロー【写真:Getty Images】

2009年大会で日本代表の打撃コーチを務めた篠塚和典氏

 3月に迫るワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第5回大会。侍ジャパンが3大会ぶりの優勝を果たすための鍵は、どこにあるのか。2009年の第2回大会で日本代表のコーチを務め、世界一に貢献した篠塚和典氏が経験をふまえて分析した。篠塚氏は巨人OBで現役時代には“安打製造機”と呼ばれ、首位打者2度、通算打率.304を誇った。(所属は当時)

「現役メジャーリーガーの存在が、WBCではモノを言うと思います。特に決勝ラウンドでアメリカ、ドミニカ共和国、プエルトリコなど、メジャーリーガーがいるチームと対戦する時には、彼らが持っている情報が絶対に必要になります」と篠塚氏は指摘する。「MLBで11年間の実績があるダルビッシュ有(パドレス)の役割は大きいだろうし、鈴木誠也(カブス)がどれだけ相手投手の情報を持っているか、出場しそうな投手の情報を集めているかどうかも鍵になる」と見る。

 実際、日本代表は過去のWBCで、2006年の第1回には2人、篠塚氏が携わった2009年の第2回にはイチロー(マリナーズ)、松坂大輔(レッドソックス)、城島健司(マリナーズ)、岩村明憲(レイズ)、福留孝介(カブス)の5人もの現役メジャーリーガーがメンバーに加わり、大会連覇を果たした。「彼らが相手の選手の特長をわかっていたから、戦術的に役立ったし、選手たちも精神的に落ち着いて臨むことができた」と篠塚氏。その後、2013年の第3回は皆無、2017年の第4回は青木宣親(アストロズ)1人にとどまり、いずれも準決勝で敗退した。

 第5回大会に臨む侍ジャパンには、ダルビッシュ、鈴木、大谷翔平(エンゼルス)が早々と参戦表明しており、栗山英樹監督は心強い限りだろう。

大不振のイチローを「放っておいた」理由

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