「ダルビッシュだから成功」 先発の抑え起用は”NG”…五輪元守護神が考える侍J投手陣

湯浅、水上、宇田川ら球威あるフレッシュな中継ぎ陣

 中継ぎには、阪神・湯浅京己、西武・水上由伸、オリックス・宇田川優希に、普段抑えを務めている広島・栗林良吏、巨人・大勢を加え、球威のある若手をそろえた。特に宇田川は2022年7月、育成選手から支配下に昇格したばかり。日本シリーズで最速159キロの速球、落差のあるフォークを武器に衝撃的な快投を演じ注目された。侍ジャパン入りで“シンデレラ・ストーリー”の輝きが増すことになるか。小林氏は「過去の国際大会を見ると、変則投手はあまり活躍していない。珍しい投球フォームだからという理由だけでチョイスする必要は、もうないと思う。キレ、スピード、空振りを取れる球種があれば、短いイニングは抑えられると思います」と語る。

 小林氏の“本職”で、当然強いこだわりを持っているのが抑えのポジションである。基本的には「山崎(康晃)と松井(裕樹)の2人という考え方でいいと思います。なるべく連投を避ける意味を含め、状況や本人の調子などに応じて2人を使い分ければいいのではないか」と言う。

 WBCでの抑えと言えば、2009年の第2回大会で、当初先発要員だったダルビッシュが準決勝、決勝で抑えに配置転換され、優勝の決め手になったことが印象的だが、小林氏は首を横に振る。「普段から抑えを専門的に務めている投手に、ぜひとも担ってほしい」と断言。「そもそも第2回大会はダルビッシュだからこそ成功したのであって、普段先発をしている投手がそう簡単に抑え切れるものではありません」とも。実際、2015年のWBSCプレミア12では準決勝・韓国戦で、3点リードの8回から楽天のエースの則本昂大を投入し逃げ切りを図るも、2イニング目の9回に崩れた。ピンチを背負ってから“専門職”の松井裕、増井浩俊をマウンドに上げたが、逆転負けを喫している。

 今回のWBCでも、レベルの高い激闘が予想されるだけに、継投の成否が勝敗を分けるケースが十二分にある。栗山英樹監督ら首脳陣は重圧の中で、人材の配置、その場での状況判断を問われることになる。

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