「ダルビッシュだから成功」 先発の抑え起用は”NG”…五輪元守護神が考える侍J投手陣

2009年の第2回WBC時のダルビッシュ有【写真:Getty Images】
2009年の第2回WBC時のダルビッシュ有【写真:Getty Images】

先発4人はダルビッシュ有、大谷翔平、今永昇太、佐々木朗希

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第5回大会が迫っている。侍ジャパンの最終メンバーは未発表だが、どのようなピッチングスタッフを構築することが、3大会ぶりの優勝の近道になるのだろうか。現役時代にロッテなどで主に抑えとして活躍し、日米通算234セーブを挙げた小林雅英氏が分析した。小林氏は2004年アテネ五輪に日本代表のクローザーとして出場し、銅メダル獲得に貢献した経験もある。現在は社会人野球・エイジェック硬式野球部の投手総合コーチを務めている。

 まず先発要員。侍ジャパンは東京ドームで行われる1次ラウンドが、3月9日の中国戦を皮切りに、韓国戦、チェコ共和国戦、オーストラリア戦と4日連続となることから、最低4人は必要だ。小林氏はパドレス・ダルビッシュ有、エンゼルス・大谷翔平、DeNA・今永昇太、ロッテ・佐々木朗希の名前を挙げる。MLBのメッツと5年契約を結んだ千賀滉大については、2、3月のキャンプ・オープン戦がメジャーの環境に慣れるために重要な時期となることから、基本的に除外して考えたが、先発に加えたい投手ではあると言う。

 大谷についても、シーズン前の時期に負担をかけ過ぎないために、投打どちらか一方に専念させるべきという考え。大谷が打者に専念する場合は、代わりにオリックス・山本由伸を先発要員に加える。

 21歳の“令和の怪物”佐々木朗は、小林氏にとってロッテの後輩にあたるが、「これまで日の丸を背負ってきた投手たちと比べれば、まだまだ足りないものがたくさんある。そもそもロッテでも、優れたパフォーマンスを見せているとは言え、大黒柱と呼べる存在にはなっていません」と指摘。「国際大会の異様なプレッシャーの中での投球は、結果に関わらず今後につながる。ダルビッシュ、大谷、山本ら、一流の右投手の考え方、投げっぷり、表情、ギアの上げ方、練習への取り組み方まで、全てを吸収してほしい」と語る。その上で「他にいい投手がいるので、1次ラウンドで朗希を強敵の韓国、オーストラリアにぶつける必要はないかなと思う」とシミュレーションする。

 一方、小林氏が「先発が早い回で崩れた場合にロングリリーフをこなすことができて、相手によって先発もできる。使い勝手が良さそう」と評するのが、オリックスで先発を務め、2022年も11勝を挙げている宮城大弥。「変化球のコントロールがいい。パワーピッチャーが多い中で目先を変えられる存在」というのがその理由で、“ジョーカー”的な存在になり得る。大谷が投手として先発要員に加わった場合は、山本も幅広い起用法に応えられそうだ。

湯浅、水上、宇田川ら球威あるフレッシュな中継ぎ陣

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