「今年で終わるつもりはないですから」2軍で投げ続けた金子千尋…背中で伝えた“最後の1年”

「自分のことをしっかりやっている。それを若いヤツはどう見ているか…」

 金子は引退会見で「黙々と練習して、背中で語るという練習態度は心がけていました」と口にした。その姿を見ていた木田優夫2軍監督は「とにかく自分のことをしっかりやっている。それを若いヤツがどう見ているかはわからないけど……」と口にし、続けた。「もう一度1軍に行って、大活躍してほしいよね」。かなわなかった願いは、金子の姿を見ていた多くの人に共通の思いだろう。

 引退会見は、本人たっての願いでインターネットを通じた生配信が行われた。「正直なことを言いますと、この会見はしたくなかったです。少しでも早く皆さんに僕の現状や今後のことをお伝えしたかったので、お伝えして若干の安どはあります」という言葉に、苦悩のあとがにじむ。

「僕は応援は戦力だと思っています。もう一度僕が1軍で投げるところを見ていただきたかった。ファンの皆さんには申し訳ないなと思います」

 居場所がどんどん狭くなる中でも、ひたむきに上を、1軍を見て投げ続けた。1軍でプレーして初めてプロ野球選手という信念は全くぶれなかった。大投手が2軍で過ごした“最後の1年”を見た若手は、背中から何を感じたのか。新球場元年の日本ハムには、そんな注目ポイントもある。

○著者プロフィール
羽鳥慶太(はとり・けいた)神奈川で生まれ、愛知、埼玉などで熱心にプロ野球を見て育つ。立大卒業後、書籍編集者を経て2001年、道新スポーツに入社。プロ野球日本ハムを担当したのをはじめ、WBCなどの国際大会、アマチュア野球、平昌冬季五輪なども取材する。2021年よりFull-Count編集部所属。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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