村上宗隆が「苦しいのはこれから」 燕OBが2023年を“分岐点”と言い切るワケ

村上への心配「バランスを崩されなければいいなと」

 一方、村上は「村神様」が新語・流行語大賞に選出され、知名度が格段にアップした。飯田氏は「2023年こそ真価を問われます。3冠王という以上に、56発を放ったホームランバッターのイメージを全国民が持った。3月にWBCにも出場する中で、シーズン開幕へ向けてどんな調整をしてくるか」と注目する。

「若いけれど、決して天狗になるような子ではありません。ただ、周囲にあおられて、ホームランを意識し過ぎなければいいな、と思っています」との心配も。確かに、本人がマイペースを心がけていても、日本中の興味が村上の本塁打ばかりに集中すれば、やがて余計な力みにつながらないとも限らない。

「数字よりも、今まで通りチームが勝つための打撃に集中することでしょうね。チームが打ってほしい時に打つ。もともと村上本人はそういうマインドを持っているし、ここ2年間リーグ連覇の原動力となって、理解を深めたと思います」とアドバイスを送る。

「怖いのはプレッシャーです。世間から受けるものもそうだし、相手投手もこれまで以上に“村上には打たせるな“と、際どい球を増やしたり、徹底的にストライクゾーンを避けたりしてくる。それでも打たなければ──と思った時、バランスを崩されなければいいなと思います」と飯田氏は言う。若くして3冠王に上り詰めた村上だが、飯田氏はプロ選手の先輩として「苦しいのはここからです」と予告。「2023年は村上にとって、今後の野球人生の分岐点の年になるのではないでしょうか」と付け加えた。

 すでに功成り名を遂げ、輝かしい未来を保証されているようにも見える近藤と村上だが、プロの道はそうたやすいものではないようだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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