HR王は大ブレーキ、“リーグワースト”の遊撃手 オリ3連覇に向け改善必至の課題

オリックス・杉本裕太郎(左)と紅林弘太郎【写真:荒川祐史】
オリックス・杉本裕太郎(左)と紅林弘太郎【写真:荒川祐史】

2022年は杉本が不調も、結束力でカバー

 昨季26年ぶりの日本一を果たしたオリックスは、驚異的な得点力はなくとも、他のどのチームにも負けない結束力があり、まさに一致団結という言葉が似合う打線であった。今回は、打者に注目して激動の2022シーズンを振り返っていく。

 2020年に打率.350、2021年に打率.339をマークし、2年連続で首位打者に輝いた球界屈指のコンタクトバッター、吉田正尚外野手。長いプロ野球史で過去に6人しか達成していない「3年連続首位打者」という大偉業に挑んだ昨季は、4月に打率.372を記録するなど開幕から大爆発。5月に一時戦列を離れ調子を崩すも、後半戦は本来の打棒を発揮し、最終的にリーグ2位の打率.335をマークした。

 2021年に32本塁打を放ち、ブレークを果たした杉本裕太郎外野手は、他球団からのマークが一段と厳しくなり、自身の不調も重なって3、4月は打率.133と開幕から大ブレーキ。6、7月に3割近い打率をマークし持ち直すも、最終的に打率.235、本塁打も15本と半減するなど、シーズン成績は落ち込んだ。しかし、日本シリーズでは第4戦、第6戦で決勝打を放つなど勝負強さを見せ、見事シリーズMVPを受賞した。吉田正が抜けた打線の命運はこの男にかかっている。今季も「ラオウ」の豪快な一撃に期待したい。

 不動のリードオフマンの役割を担った福田周平外野手は、打率.268と打撃面ではほぼ横ばいも、外野手転向2年目の昨季は見事な適応力を見せ、自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞。そして守備面で抜群の安定感を見せ、2年連続のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得した宗佑磨内野手は、打率も2年連続で.270以上を記録し、リーグ最高の三塁手としての立場を確立した。今季も1、2番コンビの活躍が大きなカギとなるだろう。

吉田正の穴を埋める若きスラッガーたちに注目

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