「技術的なコーチングができなくても…」 BC茨城が元NHK職員を新監督に抜擢したワケ

就任会見に臨んだBC茨城・伊藤悠一監督【写真:宮脇広久】
就任会見に臨んだBC茨城・伊藤悠一監督【写真:宮脇広久】

球団事務所は廃校となった中学校の校舎を活用、カフェもオープン

 独立リーグのルートインBCリーグ・茨城アストロプラネッツが、何かと面白い。12日には茨城県笠間市の球団事務所で会見を開き、35歳の元NHKディレクター、伊藤悠一氏の新監督就任を発表した。昨年11月に性別・年齢・野球経験不問の「監督トライアウト」を実施。99人の応募者の中から書類選考、オンライン面接、対面による最終面接を経て、野球の指導経験ゼロの伊藤氏が選ばれた。

 茨城は2019年にBCリーグへ参入し、球団事務所には15年3月に廃校となった笠間市立東中学校の旧校舎をそのまま活用している。球団業務を行っている他、余っている教室が多いことから、昨年12月にはカフェをオープン。地元で収穫された栗を使ったモンブランなどが人気だ。

 旧体育館は人工芝を張って室内練習場とし、フットサル場などとして一般にレンタルも行っている。昨年10月のファン感謝デーでは、「運動会を思い出そう」をテーマに、旧校庭に万国旗を掲げて地元の人たちとリレー、玉入れなどに興じ、中学校時代の写真も掲示。色川冬馬GMは「今後も地域とつながる施策を考えていきたい」と語る。

 昨年就任した色川GMは、同じく就任1年目の松坂賢前監督とともに、参入以来3年連続最下位に沈んでいたチームを一躍、南地区優勝に導いた。ところが、松坂前監督は米マイナーリーグのコーチ就任を志し勇退。後任選びとして行ったのが、前代未聞、野球経験など一切不問の公募だった。

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