6年間でプロ0勝も「自信あります」 人的補償で再出発…日本ハム田中正義を変える“思考”

「個人的には先発をやらせていただきたいと思っています」

 会見に同席した稲葉篤紀GMから「ビッグボス(新庄剛志監督)は『どこで投げたい?』ってたぶん聞くと思うんですけど」と言われると「個人的には先発をやらせていただきたいと思っています」とキッパリ。強い気持ちが伝わってきた。

 さらに「4月中にできるようにという目標を掲げて自主トレしていたので、そこをまず達成できるように頑張りたい」と初勝利への思いも口にした。かつて目指すことを公言した160キロについても「自然とそこまで到達できるように。何が何でも160キロと思って練習は今はしていないですけど、結果出たらいいなと思います」と話すところにも、今年に懸ける思いと自信がにじむ。

 大谷翔平投手や鈴木誠也外野手らと同学年の1994年世代。同じくらい脚光を浴びていた時期もあったが、気付けば“正念場”の立場にいる。刺激を受ける仲間たちに「活躍している選手が多い世代なので、その選手たちと肩を並べられるように、ここからどんどん追いついていきたいと思います」と巻き返しを誓った。

 福岡では休日は近所の公園に行き、山を歩いて本を読んだりキャンプに行くなど自他ともに認める自然好き。さらに寿司をはじめとした海鮮料理好きだというから、北海道の地も肌に合うだろう。田中正義の復活は、2年目を迎えた新庄ハムの浮上にもつながる。28歳で歩み出す新たな一歩が楽しみだ。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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