WBCはシーズンにどう影響? 夏場に急失速も…試されるチーム力と代表漏れ選手の活躍
2006年ロッテは夏場に急失速、代表漏れ選手が活躍したチームも
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するとシーズンでは結果を出せないのか――。WBCは2006年の第1回大会から開幕前の3月に開催され、出場選手は例年より早い調整が求められる。果たしてシーズンへどのような影響があるのか。今回は、各大会の最多選出チームがその後のシーズンでどのような結果だったのかに注目していきたい。
各大会で1チームから最も所属選手を輩出したのは2006年ロッテだ。投手で清水直行、渡辺俊介、小林宏之、薮田安彦、藤田宗一。野手では西岡剛、今江敏晃の若手も選ばれ、イタリア代表としてパスクチが選出された。シーズンでは交流戦を2年連続制覇したものの、夏場に急失速。65勝70敗のリーグ4位で優勝の日本ハムから16.5ゲーム差を離された。
2013年の巨人は7人の選手をWBCへ送り出した。2012年に3年ぶりの日本一に輝いたことから、投手では杉内俊哉、内海哲也、澤村拓一。野手からも阿部慎之助、坂本勇人、長野久義が名を連ね、外国人選手でもマシソンがカナダ代表、リン・イーハオが台湾代表で選出された。シーズンでは高卒3年目の宮國椋丞が開幕投手に初抜擢されたが、前年に引き続いて主軸が奮闘。開幕から首位を走り、リーグ2連覇を達成した。日本シリーズでは田中将大の楽天に3勝4敗で敗れたものの、リーグでは強さが際立った。
巨人は2009年大会でも最多5選手を輩出。原監督も侍ジャパン監督を務めた。ただ、シーズンでは代表メンバーではなかった坂本勇人、松本哲也の1、2番コンビが開幕から活躍した。開幕から独走してリーグ3連覇、7年ぶり日本一に立った。前回2017年大会でそれぞれ5選手を送り出した広島とソフトバンクはシーズンでも強さを発揮。広島は“タナキクマル”に鈴木誠也らでリーグ2連覇。ソフトバンクは侍ジャパン入りが見送られた柳田悠岐が打率.310、31本塁打、99打点と奮闘。日本一に輝いた。
こうして見てみると、多くの選手を輩出しようが、シーズンへ影響なしに見えるが、やはりチャンピオンチームには代表入りしなかった選手たちの活躍や選手層の厚さが不可欠だったようにも見える。2023年大会はヤクルト、巨人からそれぞれ4選手ずつが内定しているが、果たしてレギュラーシーズンではどうつながるのだろうか。
(Full-Count編集部)