台湾の「ホークス」に史上最多勝の“名将”が就任 今季2軍に参入、最強軍団へ始動

首脳陣に元巨人・ルイス、元西武・横田久則ら日本球界経験者も

 洪一中氏は、拍手の中スーツ姿で登壇。台鋼グループの謝裕民会長から帽子とスタジアムジャンパーを着せてもらうと、再び戦いの場に戻ってきた喜びと緊張感が入り混じったような、神妙な表情を浮かべた。背番号は、選手として13年、指導者として18年、これまで31年間のプロ野球生活で一貫して背負ってきた「2」に決まった。

 昨年、台湾プロ野球に加盟した台鋼ホークスは、チーム発足時に就任した林振賢・統括コーチを皮切りに、巨人でもプレーしたルイス・デロスサントス打撃コーチ、先日就任が明らかになった元西武の横田久則投手コーチら、すでに8人のコーチが決定していたが、洪一中氏の監督就任でついに最後のピースが埋まることとなった。

 劉東洋GMは、第6の球団としてリーグ参入の意向を示してから、監督決定まで約1年かかったことについて、洪一中氏が富邦と契約期間中であったことが大きかったと説明。背番号「2」を空けていたことも、洪氏を監督の筆頭候補として考えていたからだと明らかにした。並行して外国人監督も候補の一人としていたというが、昨年末に洪氏が顧問をつとめていた富邦との契約が満了したことから正式に接触。チームカルチャーに対する理念が一致し、監督就任を依頼したという。

 なお、洪一中監督との契約期間は3年。劉GMによると、2年目まで監督を務めることは決定しているが、3年目のポストについては改めて検討するという。

 これまで洪一中監督が率いてきたチームとは異なり、台鋼ホークスは文字通りゼロからの新チームだ。昨年のドラフト会議で指名した選手はいずれも10代後半から20代半ば。拡張ドラフトや他球団を戦力外となり獲得した選手も、いずれも20代だ。

 試合中の「懲罰交代」も多く、台湾の指導者の中では厳格と言われる洪一中監督は「チームが若いということは、良くない習慣も少ないだろう。その点ではやりやすい」と期待。そのうえで、「自分が選手に対して求めるレベルは高い。規律あるチームをつくりたい。選手たちがロールモデルとなることで多くのファンを集め、将来的にホークスが、南部の野球ファンにとって誇りとなれば」と力を込めた。

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