丸刈り皆無、監督を“さん付け” 慶応高が挑む壮大な目標「高校野球に新しい価値観を」

森林監督、高校球児とは「フラットに付き合いたい」

 かつて西武、巨人などで活躍した清原和博氏の次男・勝児内野手(1年)も「自分の頭で考えながらやらせてもらえるのが、慶応の野球。甲子園でも、しっかり頭を使って勝ちたいです」とうなずく。

 慶応高の選手たちは全員、森林監督を「監督」ではなく、「森林さん」と呼ぶ。また、自主性を重んじる方針とあって、高校野球で象徴的な丸刈りの選手は皆無で、長髪が目立つ。森林監督は「監督を“さん”付けで呼ぶのは、上田誠前監督の時代も同じでした。僕は選手たちより少しだけ先に野球を勉強しているだけですから、役職で押さえつけるのではなく、フラットに付き合いたいと思っています」と話す。「僕は他の高校のやり方を、否定するつもりはありません。ただ、選択肢はたくさんある方がいい。これまでは選択肢が少な過ぎたのではないでしょうか」とした上で、「我々も甲子園に出場するたびに長髪ばかりを取り上げられる段階は卒業したいですね。丸刈りでない高校もだいぶ増えましたから」と笑った。

 選抜大会出場が決まった今月27日にも、大村主将は「日本一になるのが大目標ですが、高校野球の常識を変えたい」と発言し、メディアに取り上げられた。森林監督は「選手たちには『言ったからには、有言実行しなければならないよ』と伝えました。大きいことを言ったと思いますが、自分たちが言ったことを励みにして頑張っていきたいと思います」と意気込む。選抜開幕前には3月1日から8日まで、鹿児島・南さつま市で合宿を張る予定。慶応高にとって、いろいろな意味でこれまで以上に注目される大会が幕を開ける。

【写真】丸刈りの選手は皆無 選抜出場を喜ぶ慶応の選手たち

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