NPB球団が「整形外科」を開設する理由 メジャー帰りの指揮官も期待「大きな強み」

会見に出席した西武・松井稼頭央監督、奥村剛球団社長、後藤高志オーナー、帝京大・冲永佳史理事長、帝京大スポーツ医科学センター・河野博隆センター長、アスリートメッド株式会社・石嶋正幸社長(左から)【写真:球団提供】
会見に出席した西武・松井稼頭央監督、奥村剛球団社長、後藤高志オーナー、帝京大・冲永佳史理事長、帝京大スポーツ医科学センター・河野博隆センター長、アスリートメッド株式会社・石嶋正幸社長(左から)【写真:球団提供】

日本代表ドクターを招へい、球界初の「整形外科クリニック」経営も

 西武は30日、帝京大と「スポーツ医学サポートに関するパートナーシップ」を締結した。締結期間は4月から3年間。NPBではロッテが2020年から順天堂大医学部付属順天堂医院および医学部付属浦安病院から医療、栄養、コンディションについて全面サポートを受けており、巨人も2021年に同じく順天堂大と選手のコンディショニングに関する学術指導契約を結んだ。西武が帝京大とタッグを組むことを決めたのはなぜか。

 西武は球団本部チーム統括部内に「ハイパフォーマンスグループ」を新設し、帝京大は同グループを統括するハイパフォーマンスディレクターら8人を派遣する。このハイパフォーマンスディレクターに就任する増島篤氏(整形外科医)は、2006年、2009年、2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本代表ドクターを務めた実績の持ち主だ。

 また、西武と帝京大は、プロスポーツチームと連携したクリニック経営のノウハウを持っているアスリートメッド株式会社を含めた3者で、2024年春にベルーナドームの向かいに「ライオンズ整形外科クリニック」を開業する。プロ野球球団による整形外科クリニック経営は、史上初の試みである。

 西武の奥村剛球団社長は「選手が少しでも体に違和感を覚えたら、すぐに検査を受け、治療、リハビリまで“一気通貫”したサポートを本拠地球場のすぐそばで受けることができる。今後チームにとって大きなメリットになる」と説明。さらに「地域住民の皆様にも、トップアスリートと同じレベルの高度な医療を提供する」と付け加えた。

肘痛の高校生救った「ハイドロリリース」など最先端医療も

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