食事は持参、ユニホームは手洗い 戦力外で環境一変…元燕戦士が独立Lで“原点回帰”

火の国サラマンダーズに入団した元ヤクルト・中山翔太【写真:橋本健吾】
火の国サラマンダーズに入団した元ヤクルト・中山翔太【写真:橋本健吾】

前ヤクルトの中山翔太は「火の国サラマンダーズ」からNPB復帰を狙う

 プロ野球の春季キャンプが始まった2月1日に、熊本の地で“元NPB選手”が汗を流していた。昨年までヤクルトに在籍した中山翔太外野手は、今年から独立リーグ・九州アジアリーグ「火の国サラマンダーズ」に在籍。「1年勝負」と自らにハッパをかけ、NPB復帰を目指す。

 中山は法大から2018年のドラフト2位でヤクルトに入団。ルーキーイヤーの2019年には長打力を生かし35試合出場で打率.289、5本塁打、14打点の成績を残し、右の大砲として期待された。だが、その後は出場機会を減らし、昨年は1軍出場なくオフに戦力外になっていた。

 球団から戦力外を告げられた時は「正直3、4日は現実を受け止められなかった」と、振り返る。ふとした瞬間に我に返ると、大学時代の同級生たちが一般企業で働いている姿を目の当たりにし「ユニホームを脱いだら自分は何の肩書きもない」。野球を続けるか迷っていた時に背中を押してくれたのは5歳上の兄・和樹さんだった。

「まだ、若い。可能性が1%でもあるなら俺ができなかった野球を続けてほしい」

 和樹さんは高校時代に関大北陽高(大阪)でレギュラーとして活躍していたが、青学大に進学後は勉強に専念するため野球を断念していた。「兄はやりたくても野球ができなかった。その気持ちを考えると、迷っている暇はなかった。あとになって挑戦していれば良かったと、後悔はしたくない」と奮起し、火の国サラマンダーズへの入団を決めた。

NPBと独立リーグの環境面の違い「どれだけ恵まれていたか知ることができた」

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