許せなかった原辰徳のプロ1号「裸踊りと一緒だ」 肩慣らし登板がもたらした“ブチ切れ”

現在は名古屋の「焼処 旨い物 海鮮山」でオーナーを務める小松辰雄氏【写真:山口真司】
現在は名古屋の「焼処 旨い物 海鮮山」でオーナーを務める小松辰雄氏【写真:山口真司】

監督ブチ切れ「お前はこの満員の後楽園球場で裸踊りしているのと一緒だ!」

「近藤さんに『お前はこの満員の後楽園球場で裸踊りしているのと一緒だ!』と言われて、頭をバーンとどつかれた」。慣らし運転でマウンドに送ったはずなのに、完全に大物ル-キー・原の引き立て役に回ったことが指揮官としては気に入らなかったのだろう。小松氏にとっては苦い思い出。「その時は悪いボールじゃなかったし、しょうがないと思ったけどね。どうせ負けていたからええやんってね」と苦笑しながら当時を思い起こした。

 抑えでスタートしたその年は6月20日終了時点で4勝0敗11セーブと順調だった。だが、そこから調子を崩して連敗。権藤博1軍投手コーチから「じゃあ、気分転換に先発してみろ」と言われ、7月15日のヤクルト戦(神宮)に先発。「そしたら完投して、3-2で勝っちゃった。これがプロ初完投勝利。それから先発になった。ええかげんやったな、ほんとに」。

 もっともそれは念願でもあった。前年も1試合、広島戦(1980年9月10日、ナゴヤ球場)に先発して6回1/3を投げて2失点。1-2で敗戦投手になったが、中日の1点は自身が放ったホームランによるもの。「プロ初先発でプロ初本塁打。あの時は、またあるかなって思ったけど、なかったんでね。抑えはキツい。先発だって投げて2日くらいたったらベンチに入っていた時代だけど、それでも抑えよりは良かったからね」。そんな流れで先発組に回った小松氏だが、この後にまさかの出来事が……。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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