今季は10勝確実? “破壊力抜群”の宝刀…TJ手術から復活した虎右腕にかかる期待

阪神・才木浩人【写真:荒川祐史】
阪神・才木浩人【写真:荒川祐史】

昨年7月に1軍に復帰して4勝を挙げる活躍…今季は2桁勝利の期待

 岡田彰布新監督が就任した阪神で、楽しみな若手右腕がいる。高卒7年目を迎える才木浩人投手は、昨季右肘のトミー・ジョン手術から復活して4勝を挙げた。計9試合の登板だったものの、リハビリを経てデータでも好指標をマーク。大器の片鱗を感じさせる。

 2年目の2018年には6勝を挙げて期待されるも、翌2019年は3試合登板で2勝に終わった。その後2020年に手術を受け、2021年はリハビリに費やした。

 昨季は春先から登板を重ね、7月に1軍復帰を果たすと、復帰戦で白星を挙げるなど、計9試合に登板し4勝1敗。防御率は1.53と安定した投球を見せた。1投球回あたり何人の走者を出したかを表すWHIPも2018年の1.45から良化し、昨季は1.09だった。K/BBも3.5を超えれば優秀とされるが、3.91を記録しており(2018年は2.24)、制球面でも進化が見られる。

 才木の武器の1つが、189センチの身長から投げ下ろすフォークだ。セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、フォーク100球当たりの失点増減を示す「wSF/C」は5.06。40イニング以上を投げた投手の中では12球団トップの数値となっている。まさに“宝刀”といえるだろう。

 昨季の奪三振率は8.23で、セ・リーグ最多奪三振に輝き12勝を挙げた巨人・戸郷翔征(8.07)、11勝を挙げた今永昇太(8.27)と比べても遜色ない数字だ。昨季は9試合で計47イニングの投球に終わったものの、制球力と奪三振能力を発揮して1年間投げ続けられれば、自身初の2桁勝利、最多奪三振のタイトルも十分に見えてくる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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