オリ大砲は「今年が正念場」 21年にHR王も…高校恩師が心配する“弟気質”

池田・井上力監督【写真:喜岡桜】
池田・井上力監督【写真:喜岡桜】

恩師が杉本に贈った言葉「1人で引退試合をしてもらえる選手に」

 心配が尽きないのは、教え子の可能性を信じているからだ。井上監督は、高校野球界で一時代を築いた徳島・池田高で名将・蔦文也氏の指導を受け、1986年選抜大会では優勝を飾っている。華々しいキャリアを持つ指揮官が「入学した時からモノが違いました」と認めるほど、杉本は当時からポテンシャルの高い選手だった。

「1人で引退試合をしてもらえる選手になりなさい」

 2015年、プロ入りする杉本へ井上監督がかけた言葉である。「入団会見ではドラフト1位も10位も育成指名も横並びになって、みんな温かく迎えられます。スタートラインは一緒。でも引退は違います。現役引退を祝ってもらえるのは、それだけの成績を残して、チームやファンに愛される、ほんの少しの選手しかしてもらえないんです。杉本にはそうあってほしいですね」。

 高校卒業から14年。名実ともにチームの中心選手になった杉本にとって、正念場であり、成長した姿をみせられる年だ。昨季26年ぶりに日本一になったオリックスを「後退はない あるのは前進勝利のみ!!」と牽引する姿に期待したい。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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