異例の“42歳までプレー保証”…ダルビッシュの142億円契約の裏に滲む「信頼と報い」
絶大な功績…米記者「耐久力と、長年にわたる成功は賞賛」
パドレスのダルビッシュ有投手が、6年1億800万ドル(約142億1000万円)で契約延長することで合意したとMLB公式サイトが伝えた。36歳右腕に対する異例の長期契約で、2028年の42歳シーズンまでプレーが保証された格好に。全国紙「USAトゥデイ」では「ダルビッシュは華々しいキャリアをパドレスで終えるようだ。契約はチームにやさしい内容だが、このエースが契約最終年に42歳になることを考えると少しリスクがある」と伝えた。
MLB公式サイトによると、ダルビッシュには今季3000万ドル(約39億4700万円)が支払われる。エンゼルス・大谷翔平投手に並んで“日本人最高額”となる。2018年にカブスと6年1億2600万ドル(約165億6200万円)の契約を結んでおり、パドレスでも持ち越されて今季年俸1800万ドル(約23億6600万円)。USAトゥデイは「年平均1800万ドルは、エースにしては低い額だ」と指摘する。
不惑を過ぎても契約する裏側には、ダルビッシュが築いてきた信頼がある。昨季もメジャー自己最多タイの16勝(8敗)、防御率3.10をマーク。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」や米データサイト「ファングラフス」で記者を務めていたキム・スンミン記者は「ダルビッシュの耐久力と、長年にわたる成功は賞賛しないわけにはいかない」と強調。メジャーでの長年の実績もさることながら「彼は18歳でNPB入りした2005年からプロで投げていることも考えてほしい」と目を見張った。
36歳になっても衰えを知らないのも確か。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者は「ユウ・ダルビッシュは昨季、被打率.170以下の球種が4種類もあった唯一の投手だった(各球種とも、打席での最後の球が75球以上が対象)」と特筆。七色の変化球はいまだ健在。球団の報いと誠意が滲み出る大型契約となった。
(Full-Count編集部)