侍、世界一奪還への史上最強打順は? 専門家が分析、カギを握る下位の「不気味さ」
最強・侍を野口寿浩氏が分析「『1番・大谷』という意見もあるでしょうが…」
3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、今月17日から侍ジャパンの宮崎キャンプが始まる。侍ジャパンが3大会ぶりに世界一の座を射止めるためのベストオーダーとは? と、ファンの間でも意見の分かれるところだろう。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏に世界一奪取にむけて最良な打順を聞いた。
ベストオーダーを組み立てるには、ポイントがいくつかある。野口氏は真っ先に“最強打者”エンゼルス・大谷翔平投手の打順を決めた。相手が最も恐れるのは、大谷を何番に置いた時なのか? 導き出した答えは、3番だった。「1番という意見もあるでしょう。しかし、大谷はヨーイドンで打席に立たせるより、1、2番で塁上に走者を置き、さらに4番に村上(宗隆内野手=ヤクルト)、5番に鈴木誠也(外野手=カブス)が控えていて簡単には歩かせられない状況の方が、相手は嫌がると思う。大量点につながる可能性も高まります」と説明する。
第2のポイントは、メジャーリーガーの効用だと言う。「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」も油断は禁物だが、侍ジャパンの目標が世界一の座奪回にある以上、天王山となるのは米マイアミで行われる準決勝だろう。2013年の第3回大会と17年の第4回大会は、いずれも準決勝で敗退。今回は組み合わせ上、メジャーリーグのトップクラスが集まる米国、ドミニカ共和国などと侍ジャパンの対戦があるとすれば、準決勝もしくは決勝が初顔合わせとなる。
MLB中継の解説を務めることも多い野口氏は「“161キロで48センチ曲がるシンカー”を操るドミニカ共和国のサンディ・アルカンタラ投手(マーリンズ)をはじめ、メジャーのトップクラスには、日本では見たこともない球を投げてくるピッチャーがたくさんいます。普段から彼らと対戦し見慣れている選手は、WBCで大きなアドバンテージを持つことになる」と指摘。大谷はメジャーでも無双、鈴木にも実績があるが、村上については「もちろん日本で3冠王を獲得したことは相手チームも承知しており、警戒されると思いますし、僕も大活躍を期待しています。ただ、対戦経験がない分、対応にどれだけ時間を要するのか、一抹の不安は残ります」と見ている。