侍、世界一奪還への史上最強打順は? 専門家が分析、カギを握る下位の「不気味さ」
7番に山田哲人起用を提唱「相手は不気味」
その点、カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手は迷わず「2番・中堅」で起用したいと言う。「日本のファンに馴染みがなく、昨年のメジャーでの成績が見栄えしない(打率.228、14本塁打40打点4盗塁)ため、ヌートバーの実力を疑問視する声もあります。しかし、彼は昨年のシーズン後半に成長しレギュラーとなった選手なので、トータルの数字以上に現状の力はある。選球眼が良くて出塁率の高い選手(昨年も出塁率は.340)で、強豪カージナルスで定位置を獲得した事実は重い。何より、メジャーのトップクラスとの対戦経験が豊富であるところが頼もしい」と高く評価するのだ。
6番には、DeNA・牧秀悟内野手の勝負強さを買って一塁手として起用。そして、野口氏がベストオーダーを組む上で“3つ目のポイント”と考えるヤクルト・山田哲人内野手を、「7番・二塁」に置いた。山田は昨年、打率.243、23本塁打、65打点、10盗塁というやや不本意な成績に終わった。最近は故障がちで、トリプルスリーを3度達成(2015、16、18年)した頃の躍動感が影をひそめているのも事実だ。一方、2021年の東京五輪で大会MVPに選出され、金メダル獲得の原動力となるなど、国際大会には滅法強い。「その持ち味を発揮してほしい。哲人が下位の7番にまで下がれば、相手は不気味でしょう」と野口氏はうなずく。
1番は、レッドソックス入りした吉田正尚外野手。選球眼が良く、昨年まで2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得し、三振は少ない。まさに打ってつけだろう。「もし哲人が本調子となれば、本職の1番に上げ、その場合は吉田正を6番、牧は7番に回す選択肢も考えられます」と野口氏は付け加える。8番は、こちらも国際大会の経験が豊富なソフトバンク・甲斐拓也捕手。9番は、「スタメン遊撃手は“一択”」の西武・源田壮亮内野手に「1番へつなぐ役割を期待したい」と言う。
「大谷翔平の打順」、「メジャーリーガーの効用」、「山田哲人の存在」をポイントに作成されたオーダーは、確かに眺めているだけでワクワクしてくる。果たして、栗山英樹監督の頭の中には今、どんなオーダーが描かれているのだろうか。