ドームは「絶対嫌じゃ」 ボロカス言われても猛反対…天然芝にこだわった広島オーナー
松田元オーナーが語る…広島ドーム構想に「反発した」
広島・松田元(まつだ・はじめ)オーナーへのFull-Count単独インタビュー第2回はマツダスタジアムについて。今や日本を代表するスタジアムとして知られるが、完成するまでには、いろんなことが……。ドーム推進派と戦ってきた“過去”、そこまでこだわった理由などを明かしてくれた。
――マツダスタジアムは2009年開場ですが、かつては広島ドーム構想がありました。
「おそらく商工会議所が先にドームを作ったらどうかという話をやってきたんじゃないかと思う。ドームを作ったら、いろんな意味で使えるからいいんじゃないかという話だった。わしらの感覚でいえば、あの当時、どれくらいの金額で作ろうとしたのか知らんけど、まず基本的に使用料がめちゃくちゃ高くなるということが明確だった」
――確かにドームならそうなるでしょうね。
「それとわしらが一番許せないと思ったのは、日本一みすぼらしいドームを作ることよ。東京、福岡、大阪、名古屋、札幌にドームがある中でね。予算の取り方が全然違うから。それからすると広島市側で考えるレベルのドームってすごく貧しい。ある意味、みすぼらしいよの。そういうドームを作ってええんかいのって言って、ずいぶん反発した記憶がある」
――かなり反発したんですね。
「あの予算だったら、小さな面積でドームを作るようになるわけ。それは勘弁してくれやの感覚だった。ドームは絶対嫌じゃと反発した。その時に結構ボロカス言われたような記憶もある。何で反対するんやと、ドームなら雨で流れないし、ええやろって、計算できるからええだろって、ずいぶん言われたような気がする」
――今、マツダスタジアムにファンは誇りを持っていると思うが、ドームだったら、そうはなっていない。
「絶対なってないと思うね。もし、ドームを作っていたら、上の方から野球を見るって形になるわけよ。野球の本来の見方とは全然違うような形のドームよ。床面積をどうしても、ちょっとでも狭くするわけやから。上から見たら何か点で選手を見るような、本来の野球を見る環境じゃなくなるようなものになってくるんじゃないかというふうにワシは思っていた」