ドームは「絶対嫌じゃ」 ボロカス言われても猛反対…天然芝にこだわった広島オーナー
球場は「広島の人が誇りに思うようなもんじゃないと駄目」
――高い位置から見れば、そうなりますね。
「旧市民球場は古い狭い球場だったから、その後、2階席を作った。でも、あの席を売るのに、どれだけ苦労したか。まぁ、それは上に上がったらわかるわな。野球を見るような感じじゃなかったよね。ああいうのは駄目だろうってわしらは思っていたから、やっぱり、広島の人が誇りに思うようなもんじゃないと駄目。ワシはそういうふうに思った」
――その考えを押し通して、ドームを阻止した。
「そうそう。だから嫌われるんじゃ。そりゃもう、勘弁してやって、ずっと言いまくりだったような気がする。この位置に作るか、あっちに作るかもひとつ大きな問題だったと思うが、ウチが、どうしても広い土地でないと駄目、天然芝じゃないといけない、というようなことをずっと言い続けとったら、どうにか理解してくれる人たちが出てきて、この位置で作ることになった」
――旧市民球場に比べると敷地の規模が違いますね。
「あそこで、この大きさだったら(旧市民球場前にある)電車通りくらいまでの広さ。電車通りにホームベースじゃないけど、そういうのがあるような感じ。それだけ勾配が緩いものができるということやからね」
――そうなることで、多くのお客さんが低い位置から野球を見られるようになった。
「広島市にずっと言い続けていたのは1階で2万人は絶対確保してくれということ。最低限、そうじゃないと駄目だってね。旧市民球場では(1試合の観客動員数が)8000とか7000とかいうのがざらだった。それが年間指定席を含めてだったからね。実質、お金を払って来てくれる人は3000人おるかどうかというようなところだったしね」