ドームは「絶対嫌じゃ」 ボロカス言われても猛反対…天然芝にこだわった広島オーナー
マツダスタジアムは「マイナーの概念をサイズアップさせた球場」
――厳しい時代でした。
「でも、そりゃあ、そうだろうっていうんよね。奥行きのある球場じゃないとスロープも実現できないし。ここ(マツダスタジアム)のスロープはサンフランシスコの球場のスロープなんじゃ。ウチは、あの当時で、この球場を作るために、のべ400人くらいはアメリカに行かせたからね」
――400人もですか
「延べやけどね。いろんな球場を見さしておるよ。大リーグの球場も当然、そうかもしれんけど、トリプルAとかマイナーの球場も結構ね。ここ(マツダスタジアム)のことをメジャーの球場を模した球場のようにみんな思っているかもしれないけど、現実はマイナーリーグの球場を概念で言えばサイズアップさせた球場。マイナーリーグの球場で何が足りないかねって言ったら、これが足りんよとか、そういうふうなことを考えて作った球場よ。メジャーリーグの球場をサイズダウンした球場ではないよ」
――しかも毎年、何かが変わっている。
「毎年、毎年ウチは稼働率の悪いところを全部直している。稼働率をどうやったら上げれるかとか。今も工事しとるやろ、あそこはグッズショップをきれいにするんだけどね。広くして、2階にギャラリーを作って、デッキを作る。2階同士を結ぶことができるデッキをね。それは全然野球には関係ないんだけど、野球ばっかり見るのが大変な人が、ふらっと2階に来て外の景色を見ながら、そこでお茶でも飲むとか、ぺちゃくちゃしゃべるか、とかいうような場所を作ろうかということでね」
――そういうアイデアは。
「ワシは結構言うぞ。これはウチが金を出すほうじゃけね。グッズショップは2年計画で、1階の会議室を2階のある場所に移ってもらって、今の場所をウチが借りる格好でね。お金を使いながらでも、いつも先のことを考えながらやっている。今回はグッズショップがずいぶんと広くなるからすごく楽になるね」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)