待望の侍キャンプ開始も…現地宮崎が「戦々恐々」のワケ 語り継がれる“イチロー伝説”
2009年、宮崎市街地からキャンプ地まで12キロが車でびっしり
2009年の第2回WBC前の宮崎キャンプには、当時マリナーズのイチロー氏らが参加。ホテルなどが建ち並ぶ宮崎市街地から、キャンプ地の宮崎県総合運動公園まで、約12キロの道のりに車がびっしり詰まり、前代未聞の渋滞が発生したほどだった。
当時の主催者側は急きょ、混乱を防ぐため球場開門前に入場整理券を配布することにしたため、当日は球場前まで来ながら入場できず涙をのむファンが多数に上った。ちなみに、2013年の第3回大会では現役メジャーリーガーが皆無、2017年の第4回大会は青木宣親外野手(当時アストロズ、現ヤクルト)1人で、そこまでの混乱はなかった。
今回は、現役メジャーリーガー5人中4人がキャンプ不参加とはいえ、パドレスのダルビッシュ有投手が参加する。昨年、史上最年少での3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手をはじめ“国内組”の顔ぶれも豪華だ。前出の末吉部長は「大谷さんがいらっしゃらないのは残念ですが、私も県民の期待を肌で感じております。経済効果の面でも、非常にありがたい。ただ、どれくらいの混雑、渋滞が起こるのかと考えますと、正直言って、期待と不安が入り混じった心境です」と吐露した。
キャンプ期間中の25日と26日に行われるソフトバンクとの壮行試合2試合のチケットも、既に各販売サイトで売り切れとなっている。最寄りの「木花駅」に停車するJR日南線は臨時列車や増結列車、宮崎交通バスは宮崎空港や宮崎駅から臨時バスを運行する。万全を期してはいるが、関係者の不安は尽きない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)