1年半後の安打数を予測できる不思議 偉業達成へ…中日・大島洋平にもある“恐怖”

偉業達成は夏か「さっさと達成したい。早ければ早い方がいい」

 2014年には自己最多のシーズン186安打。2019年は174安打、120試合に短縮された2020年には146安打を放ち、2年連続で最多安打のタイトルを獲得した。直近5年間でみても、平均155.6安打。試合に出れば快音が生まれるのだと誰もが疑わないが、自身は新たなシーズンを迎える度に恐怖にも似た思いを抱く。

「打てるかなとか、そんなん毎年思ってますよ」

 オフをへて、感覚が変わっているかもしれない。加齢に抗えず、体力や視力、反応速度が落ちて打撃に致命的な影響を及ぼすかもしれない。昨年打てたからといって、今年も打てる確証などどこにもない。だから毎年アップデートを繰り返し、“打てる自分”を作り上げてきた。

 今季もその不安を打ち消すようにオープン戦から1軍に合流し、感覚の微調整をへて3月31日の開幕を迎える。周囲から問われるのは、偉業への思いばかり。「さっさと(達成)したいです。特に時期的なメドは決めてないですが、早ければ早い方がいいっすかね」。夏の球場で、記念ボードを掲げてはにかむ背番号8の姿が、今から目に浮かぶ。

○著者プロフィール
小西亮(こにし・りょう)
1984年、福岡県生まれ。法大から中日新聞社に入社。石川県や三重県で司法、行政取材に携わり、中日スポーツでは主に中日ドラゴンズやアマチュア野球を担当。その後、「LINE NEWS」で編集者を務め、独自記事も制作。2020年からFull-Countに所属。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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