激戦区・神奈川から北海道へ 紋別高・加賀谷実監督が進める「ルパン型」のチーム作り

紋別高校の練習風景【写真:大利実】
紋別高校の練習風景【写真:大利実】

神奈川県立高校で実績残した加賀谷実氏は2021年に紋別高監督に就任

 2021年3月末をもって、神奈川県の教員を定年退職し、同年4月から北海道立紋別高校で指導する加賀谷実監督。紋別市スポーツ課の職員として採用され、学校では体育の授業をサポートしながら、野球部の強化に力を注いでいる。

 神奈川では川崎北、相模原総合、弥栄、厚木北と、赴任したすべての県立高校をベスト8以上に導いてきた。人口が多く、野球が盛んな神奈川では、50人以上の部員がいるのは当たり前。「加賀谷監督のもとで野球をやりたい」「県立から甲子園を目指したい」と希望する生徒も多く、激しいチーム内競争が繰り広げられていた。

 現在の紋別高校は部員11人。「一番の課題は、競争の足りなさ」と口にするが、現実的に一気に部員が増える環境にはない。現状で、いかにして成果を生み出すか。加賀谷監督は、さまざまなアプローチを試みている。

 神奈川から紋別に移る年の冬、加賀谷監督は宮城・松島町立松島中に足を運んでいた。親交の深い日大高校の伊藤謙吾監督が、松島中の猿橋善宏教諭(2022年から仙台育英高硬式野球部部長)のもとを訪ねると知り、「ぜひ、一緒に!」となったのだ。

部員に「加賀谷監督」ではなく「加賀谷さん」と呼ばせるワケ

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