激戦区・神奈川から北海道へ 紋別高・加賀谷実監督が進める「ルパン型」のチーム作り
茂木亜智主将「2年経って、形になってきた」
旧道都大の室内練習場でのトレーニングは、活気にあふれていた。ひとつのメニューが終わるたびに、「よっしゃ!」「次、いくぞ!」と選手が大きな声を出し、仲間を鼓舞。約3時間の練習中、そのテンションが落ちることはなかった。
時に、テンションが上がりすぎて盛り上がりすぎる場面もあったが、加賀谷監督は何も言わずに見守っていた。
「私が来たときはおとなしかったんですけど、『パッションを上げていこう!』と言い続けて、今のような雰囲気になってきました。悪ノリのように見えるときもあるけど、それは放っておいています。そこを、指導者側が止めてしまうと、大人の目を気にして行動するようになってしまう。今は、監督の目なんて気にすることはないので、やりたいことをどんどんやればいい。それぐらい振り切れてこないと、なかなか勝てるチームにはなっていきません」
キャプテンを務めるのは、地元の紋別市立紋別中出身の茂木亜智だ。加賀谷監督の教えをどのように感じているか。
「加賀谷さんが就任したときから、『楽しい雰囲気を自分たちで作っていこう』と言われていました。2年経って、形になってきた自信はあります。これまでの練習や試合では、ミスが続いていくと、気持ちが落ちてしまう。だから、この代からは、『演技でもいいから、盛り上げていこう!』と言い合っています」
加賀谷監督が神奈川で実績を残したことは、どれほど知っていたのだろうか。「それぞれが調べたりして、みんな何となく知っているはずです。加賀谷さんは、自分から神奈川での話を出してくることはほとんどありません。自分たちの目線に合わせて、筋道を立てて教えてくれることが多いので、ありがたいです」。