侍・宇田川優希、人生変えた“居酒屋の夜” 「呼ばれなかった…」落胆消した友の説得

侍ジャパン・宇田川優希【写真:小林靖】
侍ジャパン・宇田川優希【写真:小林靖】

育成指名を受けた2人「行くか行かないか」緊急ミーティング

 あのとき酌み交わした「一杯」が人生を大きく前進させた。オリックスの佐野如一外野手が、仙台大時代からの同期、宇田川優希投手との「育成入団秘話」を明かした。「ドラフト当日の夜でしたね。できるだけ早く、話がしたかったので」。2020年10月26日、行きつけだった仙台市内の居酒屋で、2人は膝を突き合わせた。

「俺は育成でも行くよ。プロで勝負したい。一緒に頑張ろうぜ」。佐野如は真っすぐな眼差しで宇田川を説得。当時4年目の付き合いだった「仲間」に腹を割った。

 2020年ドラフト当日。指名があるのないのか、ソワソワしていた2人に緊張が走った。「選択希望選手終了」。12球団、支配下選手の指名が終わった瞬間、思わず下を向いた。

「呼ばれなかった……」

 直後に始まる育成ドラフトでは3位で宇田川、5位で佐野如がオリックスから指名された。喜びの中に、葛藤が入り混じった。「育成指名で行くか行かないか、の話をしましたね。ただ、僕の中では行くと決めていた。だから、その夜に宇田川と2人でご飯に行って真剣に話しました。一緒に頑張って支配下(選手登録に)なろうよって」。緊急ミーティングは“説得”に近かった。

プロに“引っ張った”佐野如は宇田川の躍進にも「驚きはない」

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