“ダルビッシュ効果”生んだ10年前との変化 若手になくなった「上達しない考え方」

侍ジャパン・ダルビッシュ有(左)と高橋奎二【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・ダルビッシュ有(左)と高橋奎二【写真:荒川祐史】

ダルビッシュから知識を得た侍投手陣が、壮行試合で活躍

 野球日本代表「侍ジャパン」で投手陣に“ダルビッシュ効果”が起きている。25日、26日に行われたソフトバンクとの壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)で投手が軒並み好投。甲斐拓也捕手(ソフトバンク)はダルビッシュ有投手(パドレス)の影響について「目に見えてわかる」と断言した。では、当の本人はどのように見ているのだろうか。10年前と比べ、選手たちのマインドの変化を感じていた。

「目に見えてわかるのは、スライダー。(佐々木)朗希にしても変わりましたし、ダルさんの存在はかなり大きいと思います」。25日の壮行試合後、スタメンマスクを被った甲斐はこう証言した。佐々木はダルビッシュから教わったスライダーを用い、2回を1安打無失点、3奪三振の快投。翌26日も湯浅京己投手(阪神)が教わったスライダーとフォークを武器に1回を無失点に抑えた。

 17日から行われている宮崎キャンプでは、ダルビッシュが若手に変化球を伝えるシーンが連日見られた。本人は「教えるというつもりはなく、あくまで情報交換です」と話すが、戸郷翔征投手(巨人)は「変化球が明らかによくなった」と口にし、湯浅も「曲がるようになった」とすぐに進化を実感していた。これらの投手陣が実戦で結果を残し、“ダルビッシュ効果”と言われるようになった。

 ただ、この“効果”が最大化している理由としては、10年前と比べて、明らかに変わった若手の行動がある。ダルビッシュがこう話す。

「10年前は変化球の話をしても『オフシーズンにちょっと練習しておく』とか『キャッチボールをやってから』とかだった。それって上達しない考え方。今の選手は『きょう、ちょっとブルペンで投げてみます』となるので。そういう意味でもオープンマインドになるというか。新しいことに挑戦していくマインドになっているのではないかと思います」

球種もトレーニング法も試し続けた若き日のダルビッシュ…後輩も続く

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