「抱く印象が変わった」 メジャー組合流直前…栗山監督の評価が急上昇した“外野手”とは

侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:小林靖】
侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:小林靖】

適時打だけでなく好走塁、打点付き内野ゴロも

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンは、17日から11日間にわたった宮崎キャンプを打ち上げた。今後は壮行試合と強化試合の計4試合が予定されており、開幕戦となる3月9日の「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」中国戦(東京ドーム)に臨む。今回、現役メジャーリーガー勢が不在だった野手陣で、キャンプ中に評価を急上昇させたのは誰か――。

 これまでのイメージと違った形で評価を上げたのが、岡本和真内野手(巨人)だ。かつて巨人のコーチとして岡本を指導していた侍ジャパン・吉村禎章打撃コーチは「栗山(英樹)監督が岡本に抱いていた印象が、いい意味で変わったようです」と笑う。

 岡本は宮崎キャンプの最後を飾ったソフトバンクとの壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」の2試合のうち、初戦に「7番・一塁」で出場し、2度の満塁のチャンスで、右中間を破る2点二塁打と左前適時打の計3打点を稼いだ。適時二塁打を放った際、相手守備陣の中継プレーの乱れに乗じて三塁へ進み、次打者の周東佑京外野手(ソフトバンク)の遊ゴロの間に、スタートよく本塁を駆け抜けた走塁も評価された。岡本は「今日のプレーではあれが一番」と自己評価。「チームにとって貴重な得点になりますし、ゴロを打った選手の打点になるので、走塁もしっかりやりたいと思います」と語気を強めた。

 2戦目は打順が3番に上がり、2019年を最後に1軍公式戦では3シーズン守っていなかった左翼も守った。久しぶりの外野守備だったが、3度の守備機会を無難にこなした。打撃面でも3打数1安打1打点と好調気配。4回には三遊間へ内野安打。1点ビハインドの5回無死三塁では、しぶとくニゴロを転がし、三塁走者の近藤健介外野手(ソフトバンク)を同点のホームに迎え入れた。吉村コーチは「本来なら4番を打てる打者だが、ああいう形でつないだり、逆方向へ(二ゴロを)打って打点を取ることもできる」と説明。普段からパワフルな打撃に隠れがちな守備についても「もともとサード、ファースト、レフトのどこを守っても、ハンドリングもスローも上手い。ああ見えて器用」とうなずいた。栗山監督は「和真は、なんとかしようとする感じがいいね」と評している。

 アピール必須な打撃では2試合で7打数3安打(打率.429)をマーク。本職の三塁は村上宗隆内野手(ヤクルト)の壁が厚く、吉田正尚外野手(レッドソックス)らメジャー勢が加われば、レフトを守る可能性も高くはない。ただ、この勢いなら、一塁手として山川穂高内野手(西武)、牧秀悟内野手(DeNA)らと出場機会を激しく争うことになるだろう。

近藤は壮行試合で出塁率10割、俄然スタメンの可能性が上昇

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