新庄剛志監督の“仰天起用”が奏功? 誠也辞退で勃発…侍コーチ悩ます“外野問題”
「壮行試合でセンターから指示を出す姿を見た」と高評価
そんな中、ここにきて注目されているのが、近藤の中堅手としての存在感である。清水コーチは「近藤選手が壮行試合で、センターから(左右の外野手に)指示を出している姿を見たし、いろいろなことをやってくれている。そちらの方が機能するのかな、という考えもある」と評価。栗山英樹監督は「ヌートバーの様子を、センターの指示出しを含めて見てみないとわからないけれど、コンちゃん(近藤)とはいろいろ話しているよ」と話す。
近藤はプロ入り後、日本ハムで現在侍ジャパンの指揮を執っている栗山監督の下でプレーした10年間、1軍の試合でセンターを守ることは1度もなかった。ところが昨年就任した新庄剛志監督は、近藤を35試合でスタメン中堅手として起用(他に左翼手で41試合、指名打者で19試合先発)。若手の多いチームにあって、キャリアのある近藤にセンターラインから守備陣全体へ指示を出してほしいと期待したからだった。当初周囲を驚かせた新庄監督の采配が、侍ジャパンにとって功を奏する結果になるかもしれない。ちなみに右翼手としては、昨年こそ出場がなかったものの、2021年に56試合に先発するなど比較的経験を積んでいる。
その他、吉田も2021年までは右翼手として出場することがあり、岡本和真内野手(巨人)も壮行試合で慣れない左翼を無難にこなしてみせたが、守備力を考えると、あくまでよほどの緊急事態用の選択肢だろう。
近藤は「侍ジャパンに呼ばれた時から、どこを任されてもいいようにと思っていた。まだどういう感じになるかわかりませんが、任されたところで戸惑いなく、自分のプレーをしたい」と頼もしい。にわかに投打にわたって、侍ジャパンの浮沈を握るキーマンに躍り出た。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)