侍投手陣に欠かせない“便利屋”の存在 宇田川の躍動で見えてきた救援構想

8、9回は湯浅、大勢、松井、栗林、第2先発は左腕を固める構想も

 9日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は投球数の制限がある。1次ラウンドでは65球以内となり、第2先発の役割は大きくなる。さらに、3連投も禁じられているため、救援も役割によって2枚ずつ必要になってくる。

 宇田川がロングリリーフ、緊急登板役として機能すると、まずセットアッパー、抑えが固定できる。湯浅京己投手(阪神)、松井裕樹投手(楽天)、栗林良吏投手(広島)、大勢投手(巨人)のなかで、調子を鑑みて8回、9回を守ることになるのではないか。イニングが決まれば、それに伴い準備もしやすい。

 後ろが決まることで第2先発も想定しやすくなる。現状では、今永昇太投手(DeNA)、宮城大弥投手(オリックス)、高橋奎二投手(ヤクルト)が候補として挙がっている。宮城は25日のソフトバンクとの壮行試合で4失点(自責点1)したが、他は順調の模様。先発は右投手が4人並ぶ中、左腕3人を第2先発として固定できるのは大きい。

 もちろん、そう簡単に上手くいくものではないだろう。思い通りにいかないのが国際大会。第2回大会でもダルビッシュが抑えに回るなど、フル回転することもある。ただ、宇田川がいることによって、計画は立てやすくなったのも事実。栗山英樹監督が考えていた「守り勝つ野球」の実践へ、準備が整ってきた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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