201勝男に「騙してやろうの精神」 新ルール逆手に取った“故意操作”にファン複雑

メッツのマックス・シャーザー【写真:ロイター】
メッツのマックス・シャーザー【写真:ロイター】

メッツのシャーザーが「ピッチクロック」に試行錯誤

 サイ・ヤング賞3度を誇るメッツのマックス・シャーザー投手が、今季から導入された「ピッチクロック」を早くも使いこなしている。投手も打者も“時間に縛られる”ことを逆手に取ったやり方で、201勝の実績なんてお構いなしの試行錯誤。賢い考え方だと称賛される一方、ファンによっては少し姑息なやり口に見えているようだ。

 3日(日本時間4日)のナショナルズとのオープン戦に先発し、2回2/3を5安打7失点。乱調の結果以上に注目されたのは、極端な“時間操作”だった。打者が痺れを切らして打席を外すほど投げなかったと思えば、打者が構えた瞬間に投球することも。「ピッチング・ニンジャ」の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏は「シャーザーが、ピッチクロックを活用した駆け引きをした」とツイッターで紹介した。

 新ルールでは、投手はボールを受け取ってから走者なしで15秒以内、走者ありで20秒以内に投げなければならない。打者は残り8秒までに打席で構えなければならない。シャーザーは「打者が打席に入る前にセットポジションに入ってもいい。8秒前までに投球すればいい。そして、(打者の)目が上がった瞬間投げていい。これが正当だということを審判に確認をとった。2023年のやり方に慣れていくだけだ」とさらり。あくまで確認の一環だと強調した。

 多くのファンは好意的に受け止めているようで「これはピッチクロックとはあまり関係ない。彼は、本質的にクイックピッチや打者のタイミングを惑わしてきた」「マックスは仕事が早いから、全てのルール変更が彼にとって縁起がいいことだ」との意見も。一方、首を傾げたファンからは「ピッチクロックが導入されたことで『打ち負かそう』というより『だましてやろう』の精神が生まれてしまっている」との意見も出ていた。

【実際の映像】打者は振り遅れ… 「ピッチクロック」を逆手に取ったシャーザーの投球

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