韓国の「豪州戦に集中」は本音なのか 若手中心オリに敗れても…侍が警戒する“不気味さ”

10日の日韓戦へ…不気味なベテランたちの顔

 実際、パドレスでダルビッシュ有投手とチームメートのキム・ハソン内野手はこの日の会見で、「日本戦で対戦してみたい投手は誰か?」と質問されたが、「日本戦よりも、初戦のオートラリア戦にフォーカスしている」とかわした。1998年から2001年途中まで中日で活躍したイ・ジョンボム氏の息子で、今季終了後にポスティングシステムでのメジャー移籍を希望しているイ・ジョンフ外野手(キウム)も「私も同じく、日本戦よりオーストラリア戦が大事と考えている。勝って、その後に日本戦について考えたい」と口をそろえた。

 しかし、侍ジャパン関係者は「建前はそうでも、韓国代表の日本戦に対する執念は毎回特別。本音では他国ならともかく、日本だけには負けたくないと思っているはず」と警戒を怠らない。日本は優勝した第1回大会でも、韓国との直接対決では1勝2敗。第2回大会では5度対戦して2度敗れている(3勝)。今回は今月9日の初戦で、日本は中国、韓国はオーストラリアと対戦。翌10日に日韓対決が組まれている。

 今回のメンバーにも、不気味な顔が含まれている。韓国が金メダル、日本が4位でメダルなしに終わった2008年の北京五輪で活躍し“日本キラー”の異名を取ったキム・グァンヒョン投手(SSG)が、34歳の中継ぎ要員として選出されている。この日は2番手として1回2/3を2安打1奪三振無失点にまとめた。イ・ガンチョル監督は「ベテランとして試合の流れをつかみ、相手の攻撃を止める役割を期待している」と信頼を口にする。

 4番を務めたキム・ヒョンス外野手(LG)にも、日本のファンは痛恨の思い出がある。北京五輪では予選リーグの日本戦で9回に代打として登場し、当時中日の岩瀬仁紀投手から決勝適時打。日本が敗れた準決勝では3番でスタメン出場し2安打を放っている。

 ともにメジャー移籍を経て韓国プロ野球に復帰したキム・グァンヒョンとキム・ヒョンスには、特に警戒が必要かもしれない。日韓の因縁の対決は今回、どんな展開になるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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