“大一番”控えるも…見えぬ韓国の腹の内 日本戦で実績の右腕が強化試合で登板せず
日本戦を想定? 東京五輪で好投の右腕は、2日間で唯一の登板なし
一方、韓国の投手陣はこの2日間にオリックス、阪神と対戦し8人ずつ、のべ16人がマウンドに上がった。キム・ウォンジュン投手(ロッテ)とチョン・チョルウォン投手(斗山)は2度ずつ登板したが、登録メンバーの投手15人のうち、登板しなかった投手が1人だけいた。2021年の東京五輪準決勝・日本戦に先発し、試合には敗れたものの5回6安打6奪三振2失点と好投した右腕コ・ヨンピョ投手(KT)である。指揮官は「コ・ヨンピョを使わなかったのは、日本戦を意識したものではない。われわれは(9日に行われる1次ラウンド初戦の)オーストラリア戦に集中していると申し上げたい」と語った。果たして、コ・ヨンピョはオーストラリア戦に先発するのか、それとも日本戦先発だから隠したのか──予断は禁物だろう。
「韓国と言うと、左腕がいいイメージが強い」と侍ジャパン関係者が話すように、日本は過去の国際大会で、ク・デソン、キム・グァンヒョン、ボン・ジュングンといった韓国の左腕投手に苦杯を喫してきた歴史がある。そういう意味で、昨年11勝5敗、防御率2.10と活躍した左腕ク・チャンモ投手(NC)を警戒する声もある。
また、前日(6日)のオリックス戦に登板中、首の張りを訴えて緊急降板した守護神コ・ウソク投手(LG)について、指揮官は「検査の結果、特に異常は認められなかった。明日キャッチボールをやってみて確認する」と話したが、本番の投球にどんな影響を及ぼすのか……。日韓戦は蓋を開けてみるまで、お互いの腹の内は計り知れない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)