16打席無安打も「いいんじゃないかな」 掴んだ手応え…山田哲人にあった“打てる予感”

前日のフリー打撃で重心を低くした「自分の中ではいいんじゃないかな」

 近く当たりが出るんじゃないか――。結果は出ていなかったが、山田には自信があった。「練習中からいろいろ試行錯誤してきて、いいアイディアが沢山出てきている」。宮崎キャンプでは全体練習後、ひとり残って打撃練習をする姿が見られた。中国戦前日の公式練習では、フリー打撃で打ち込む間に重心を下げて構えるようにすると、ボールの見極めが良くなった。「結果は出ていないですが、自分の中ではいいんじゃないかなって感じです。あとは結果だけついて来てくれれば、楽になると思う」。国際大会に強い男が、平常心で1本を生み出した。

 この日、8回1死で前を打つ岡本和真内野手(巨人)が打席に立っている間、ネクストバッターサークルでは無心でスイングして準備した。「何考えていたんですかね……」。覚えていないほど、集中していた。「思い切りいくって決めたんで」。心に誓っていたから、打席でも迷いはなかった。

 侍ジャパンは山田の適時打から一挙4点を奪った。7回までは13残塁と勢いに乗り切れなかった打線が一気に変わった。10日の宿敵・韓国戦を前に、国際大会をよく知る頼もしい男が帰ってきた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY