元巨人マシソンが忘れぬ“日本への感謝” 満身創痍でも決意のWBC「侍Jと戦いたい」

左膝に注射を打ちアリゾナ入り「気持ちに体が付いてきている」

「実は、ネパールの山に登りたいという思いがあるんですよ。ヒマラヤの登頂を目指すというわけではないのですが、あそこにある峻険な山々を登りたくて。そのための過酷なトレーニングをずっとやってきてるんですよ」

 自身4度目のWBC参加にはこれまで以上に強いモチベーションがある。

「個人的に、日本代表が今大会で一番のチーム力を誇っていると思います。確かに米国は強い。ドミニカだって強い。でも、日本の投手たちの質の高さは他とはちょっと違いますから」

 投手目線での分析をすると、マシソンは続けた。

「自分の野球人生で一番得るのもがあったのが巨人での8年間でした。それと、投手として多くを学ばせてくれたのが日本の野球でした。だから感謝という意味でも、日本の野球で育った粒ぞろいの選手たちがいるサムライジャパンと戦いたいんです」

 カナダ代表は12日(同13日)に、イギリス相手に初陣を迎える。マシソンは首筋に伝わる汗を指で弾き、少しの間をあけて言った。

「気持ちに体が付いてきているんです。その感覚を掴みました。本番まで2日ですが、いい調整ができる時間になると思います」

 日本時代に痛めた左膝に注射を打ちアリゾナ入り。スコット・マシソンの新たな挑戦が始まった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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