「メジャーで僕みたいな選手が成功できたら…」 日本ハム上沢直之が見せたい“新しい景色”

キッカケは2018年の日米野球【写真:町田利衣】
キッカケは2018年の日米野球【写真:町田利衣】

「思い出作りのために行くわけではない、行ってしっかりやるために」

 2018年の日米野球を経験したことが「大きかったかな。雰囲気が違って、こういうのを経験してみたいなと思いました」と志すキッカケとなった。仲の良い大谷翔平投手や有原航平投手が海を渡ったことも、心に火をつけた。

 しかしエリート街道を歩んできた2人とは違い、上沢は専大松戸高時代に甲子園出場はなく、2011年ドラフト6位での入団。2度の2桁勝利をマークして「エース」と呼ばれるまでに成長したが、タイトルを獲得したことはなく、侍ジャパンの常連でもない。それでも、そんな上沢だからこそ、胸に秘める野望がある。

「日本で全然ダメだった外国人選手がアメリカでレギュラーになったり、逆に日本でめっちゃよかったのに向こうでダメな外国人選手もいる。そう考えると、NPBで無双できた選手だけがMLBで活躍できるわけじゃないのかなと、それがすごく気になっているんです。僕みたいな『絶対にあいつ行けるだろう』というわけではない選手が挑戦してそれなりに成功できたら、結構日本球界変わるのかなって。行きたいと思う人がもっと出てくるかもしれないし、僕自身もそれを肌で感じてみたいんです」

 見据えるのは“行く”ことではない。「思い出作りではないので、行って来年しっかりやるためにどうするか。今年、成績を残さないといけないと思っています。もちろん、1番はチームの優勝のために貢献したいです」。野球人生を左右する2023年。180イニングと防御率2点台前半という高い目標を掲げて走り出す。

(町田利衣 / Rie Machida)

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