ダルビッシュ投入も「何とか引っ張って」 極限の選択迫られたWBC“抑えデビュー”

山田久志氏と与田剛氏、両投手コーチの一体感が生んだ継投策

 馬原を引っ張った時間、さらには8回裏の攻撃で侍打線が3点を追加している間にダルビッシュも準備を整え、9回からマウンドへ。1死からヒットを許したものの、4番のデビッド・ライト(メッツ)と5番のアダム・ダン(ナショナルズ)を連続三振でゲームセット。米国に勝っての決勝進出を決めた。

「ダルビッシュの状況を見たり、馬原の状況を見たり、やはりブルペンからグラウンドはかなり遠いですから、そういう顔色はわからなかったんですけど、ブルペンコーチとしては非常に怖さが出た場面でした。馬原がよく頑張ってくれたおかげですね」と与田氏は言う。

 それはベンチの山田コーチとの一体感あってのことでもある。「お互い見えないところを伝え合うという仕事なので、言葉ひとつで信頼していただいたのはすごくうれしかったですね」とも口にした。忘れられないわけだ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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