名古屋出身の韓国スター、日韓戦で感じた“壁” メジャー志向も「世界に比べまだまだ」
「日本の投手の球に対して空振りしなかったのが収穫」
「速い球と変化球に備えて冬の間準備をしました。それを試す舞台になりました。日本の投手の球に対し、空振りすることなく対処できたのが1つの収穫だったと思います」
韓国プロ野球6年間での通算打率が.342という天才打者はまた、三振の極めて少ない打者でもある。昨季も627打席でわずか32個だった。速いボールも、動くボールもしっかりバットでとらえる技術は、レベルが一段階上の相手に対しても通用した。
ダルビッシュからの安打は153キロの内角直球をとらえてのもの。今永からの二塁打も、152キロの直球をはじき返した。今大会の思い出を聞かれると「ダルビッシュ投手からの安打が記憶には残っています」とこの場面を挙げる。オフの取り組みが、結果として出た。まだまだ進化できると感じたのだろう。
韓国に戻って、プロ野球のシーズンに備える。「今は韓国でしっかりプレーすべき。今はアメリカに行って挑戦したいというのが今の気持ちです」とメジャー志望を改めて口にした。「ここから成長できる。次回のWBCではより良いプレーをお見せできるようにしたい」。名古屋の病院で生まれ、父は元中日のイ・ジョンボム。日本からも注目されるスターは、さらなる進化を求めシーズンを送る。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)