村上宗隆の“4番外し”の劇薬は? 打率.143&0HR…栗山監督が迫られる決断
栗山監督「全体のバランスとして一番勝ちやすい形を探るだけ」
野球日本代表「侍ジャパン」の村上宗隆内野手(ヤクルト)の打順変更はあるのか。栗山英樹監督は14日、準々決勝に向けた公式練習後に記者会見に臨み、16日の準々決勝・イタリア戦(東京ドーム)に向けて打線を熟考する考えを示した。「1人の選手がどうの、こうのではない。全体のバランスとして一番勝ちやすい形を探るだけ」と話すにとどめた。
悲願の世界一へ“悩める3冠王”と心中するのか――。栗山監督は「まだ明日の練習もあるので。状況、状態を今日も確認してますけど。そういうことではなくて、1人の選手がどうのこうのではないので。全体のバランスとして一番勝ちやすい形を探るというだけなので。そういう感じですね」と言葉を選ぶように語った。
準々決勝からは負けたら終戦の一発勝負。「勝つことが大切なことなので。今までとは全く別物で、完全に1回終わったものがスタートする感覚。違う戦いになるし、選手も分かっていると思う」。不動の4番を変える可能性もゼロじゃなさそうだ。
村上はどうか。1次ラウンドの4試合で14打数2安打の打率.143、0本塁打、2打点。11日のチェコ戦、12日のオーストラリア戦と単打1本ずつを放った。「自分の状態としてはすごく打ててない状態が続いてますけど、とにかく勝てたことが一番。この短期決戦は勝つことが大事になってくるので、そこだけかなと思います」と表情を引き締めた。
この日のフリー打撃では看板直撃する特大アーチも。状態は上向きか。3番・大谷翔平の後を打つ4番についての思いも吐露。「すごくモチベーションになりますし、僕しか打ったことのない打順なので。これからもそこを打てるように」と語ったが、打順を決める栗山監督ら首脳陣はどう判断するか。
5番・吉田正尚も村上について言及。「ここまでのキャリアはすごい。タイミングとかすごく小さなことだと思うので、特に心配していないです。4番としてどっしり座っていることが大きなこと」と語った。1次ラウンドでは4戦38得点と打線として猛威を振るったことを考えれば、打順の変更は考えにくいが……。悲願の世界一へ4番・村上外しという“劇薬”は投入されるのだろうか。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)