「一緒にやれる日を待つ」 ダルビッシュの“目配り”は世界へ…届けた「メッセージ」

他国の選手にまで目を向けるように【写真:Getty Images】
他国の選手にまで目を向けるように【写真:Getty Images】

「自分のことだけをやっていた」から、他国の選手にまで目を向けるように

 そこからの変化をダルビッシュは「当時は先輩方の影に隠れて自分のことだけをやっていた。今はチーム全体を見ながら、みんなとコミュニケーションを取りながら野球をやっているので、また違う楽しみ方ができていると思います」と表現する。

 今大会での目配りは、日本代表の中にとどまらない。14日になって、ダルビッシュが多くのファンに混じって、インスタグラムに書きこんだ「メッセージ」が話題となった。相手は、韓国代表で3番を打っていたイ・ジョンフ。ダルビッシュは今オフのメジャー移籍を公言している若武者に英語で「一緒にやれる日を待っているよ」と伝えたのだ。

 イ・ジョンフはこれに「ありがとうございます。あなたと一緒にメジャーリーグでプレーできるように、全力プレーを続けます」と返した。イ・ジョンフはダルビッシュに対し2打数1安打。「ヒットを打ったのは記憶に残る」と話していた。オフの間から打撃フォームを改造し、WBCに備えてきた。ダルビッシュとの対戦は、自身の力を測る物差しだった。

 今年に入り、ダルビッシュはパドレスと6年の契約延長を行った。現役を終える日まで、さらに何が変わり、どこが変わらないのか。各方面に発する「メッセージ」は、これからも話題になりそうだ。

〇著者プロフィール
羽鳥慶太(はとり・けいた)神奈川で生まれ、愛知、埼玉などで育つ。立大卒業後、書籍編集者を経て2001年、道新スポーツに入社。プロ野球日本ハムを12年間担当し、WBCなどの国際大会、アマチュア野球、平昌冬季五輪なども取材する。2021年よりFull-Count編集部所属。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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