オリックス紅林を仰天させた1通のLINE 侍J参戦中…“相棒”からの「エグいよ」に衝撃

侍ジャパン宮崎合宿でダルビッシュ有と変化球について話す宮城(右手前)【写真:荒川祐史】
侍ジャパン宮崎合宿でダルビッシュ有と変化球について話す宮城(右手前)【写真:荒川祐史】

衝撃だった18.44メートルの使い方「空気圧と風向き、空気抵抗」

「ダルビッシュさんは変化球を投げるとき、変化量、曲がり方、どこで曲げるかを空気圧と風向き、空気抵抗で考えているんだって……」

 考えたこともなかった18.44メートルの使い方に「あのレベルに行くと、そこまで空間を考えているんだなと。僕は今日、風強いな、ぐらいでしか捉えていなかった。僕にはわからないレベルの話。勉強になるというか、もう次元が違いました……」と紅林は頭をかいた。

 詳細が聞きたくて“追いLINE”も連発。日頃のわちゃわちゃムードとは違い、丁寧に返信が戻ってくる。「村上さんは開脚ズバッとできるよ」「みんな練習前から体が出来上がってるよ」。“相棒”から真剣なテキストが送られてくる紅林は、感謝しかなかった。「基本、投手陣の話なんですけど、ダルビッシュさんたちの野球に対しての考えとか聞いて。取り組む姿勢とか。聞いたことないレベルの内容で、テンパってます」。頭脳をフル回転させ、さらに大人になっていく。

 そんな紅林が夢中になっているのは「スリム化」だった。「体重はベストな数値がまだわからないんで、そこまで気にしてないんですけど、今は体脂肪率ですね」。運動量を上げて、筋肉を強化する。なぜ、体脂肪率なのか。「寮を出たとき、体脂肪率16%を切ってないと、もう1回、寮に戻すからな、と」。そんな「約束」が紅林のスリム化を導いている。「監督やコーチとの約束なので、こっちはクリアに必死ですよ……」。

 侍ジャパンはWBCの準決勝、決勝に挑むため、米国・マイアミに戦いの場を移した。宮城が持ち帰るのは、甘いお菓子か、土産話か……。“ミヤクレコンビ”に選択肢は1つしかない。

○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府・池田市生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY