育成から侍ジャパンの切り札へ 世界を驚かす“神足”…周東佑京の原点と進化
プロ入り後も悩んでいた“問題”、出会った今のスパイクがフィット
プロ入り後しばらくは使用するスパイクに悩まされていた。元々は現在と違うメーカーのものを履いていたが、なかなかしっくり来なかった。「普通、サイズは27センチ、27.5センチといった感じで0.5センチ幅じゃないですか。意外に足が繊細で、27センチだと靴擦れするし、27.5センチだとめちゃくちゃ大きい。ちょうど合うサイズがなかったんです」。シーズン中に靴擦れを起こし、痛みに耐えながら試合に出ることもあった。
「プロに入って、自分がどこで目立つかと言ったら脚。目立つためには余計なもの、気になることは排除して行きたかった。履くものに関してはこだわりたかった」。試行錯誤している時にソフトバンクの先輩である和田毅投手のススメもあって、現在も履くスパイクにたどり着いた。
「とにかくめちゃくちゃ軽いんです。何も履いていない感覚でいられる」。特徴はとにかく軽いところ。“素足”感覚で走れることが、周東のスピードを最大限発揮させてくれる。課題だった“靴擦れ”問題も「大きさも形も全部計測して作ってくれるので、僕のオリジナルのもの。靴擦れすることもなくなりました」と気にならなくなった。
育成選手からWBCを戦う侍ジャパンの一員にまで上り詰めた周東。走塁にこだわり、とことん突き詰めた技術と道具を携えて挑む世界一への戦い。残るは準決勝と決勝。勝負を分けるここぞの場面で、周東の“神足”が侍ジャパンにとっての切り札となる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)