最速151キロ右腕が甲子園で見せた進化 球速より球質…意識が変わった“後悔の1球”

冬に磨きをかけたストレート、指先に力を入れて「回転数の良い球」

“球速よりも球質”が大事であることに気付いたのは、作新学院(栃木)と激突した昨秋の関東大会準々決勝。試合には勝ったものの、渾身の1球を左中間へはじき返されたことが頭から離れなかった。

「ストレートで詰まってファウルになれば、もう1球そのあと勝負できると思ったので。それからストレートをもっと磨こうと思いました」。日本ハム・上沢直之ら多くのプロ投手を育成してきた持丸修一監督とともに身体の使い方や柔軟性を冬の間に見直した。

 フォームは大きく変えず、工夫したのは投げる時の力の入れ方。「スピードというよりは、コーナーへ指のかかった強い球っていうのは監督さんにも言われて意識してきた」という。また、毎日カレンダーに体重を記入し、走り込みで身体を強くした。

「速くても打たれてしまうことがあったので、それなら打たれないストレートの方が、自分としてもチームとしても良いと思う」。剛腕は“質”を求めて、さらなる進化を目指す。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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