ムロツヨシ&宮沢氷魚が触れた“スカウト”の覚悟 逸材獲得は「残酷さを背負っている」
ハマスタのライトを守ったリトルリーグ時代「トンネル寸前」
――2人も野球をやっていた中、野球を題材とした作品に出ることになった。
ムロ:小学校2年生から中学校1年生までやっていました。リトルリーグの試合では、横浜スタジアムでライトを守らせていただいたことがあって凄く記憶に残っています。ライト前ヒットが来たんですけど、人工芝に慣れていないのであまりに打球が速くて焦りました。何とかグラブに挟まって……トンネル寸前です。キャプテンだったので開会式では先頭を歩かせてもらったり、あの光景は忘れません。そんな野球を通した人間ドラマに出させていただいて、この上ない喜びです。
宮沢:18年間野球をやっていたので、このお仕事を始めてから「いつか野球の作品に出たい」と思っていたんですけど、今年29歳になるので無理かなと内心思っていたんです。でもこの作品のお話をいただいて、本当に夢のような時間で、ロケ地は球場がほとんどで行くだけでワクワクしていましたし、毎日撮影現場に行くのが楽しかったです。
――野球の魅力とは。
ムロ:人生に敬遠は必要かどうか、毎日考えますね。今が二、三塁だとしたら、歩かせるべきか? いや、勝負だと。あとは追い込まれても3ボールまで選べる力があるか、そこも考えます。野球から色々学んでいます。でも送りバントの人生も好きだなと思っています。自分がヒットを打って目立ちたいけれど“送りバントの美学”を演劇を通して学び、そうやってきました。一番大事な役割です。
宮沢:物心ついたときから野球をやっていて、今までの生きざまは野球から学んできました。野球って1つのスポーツですけどそれぞれの役割がある。僕たちが毎日生活している世の中と似ているなと。この年になってやっと、自分はどのポジションなんだろうと考え始めて、野球って面白いなと思っています。
[ムロツヨシ] ヘアメイク:池田真希、スタイリング:森川雅代
[宮沢氷魚] ヘアメイク:吉田太郎(W)、スタイリング:庄将司
(町田利衣 / Rie Machida)