大谷翔平の“歴史的先頭弾”は「僕が1軍にいた証明」 打たれても誇らしげ「毎年MVPを」

日本ハム時代の大谷翔平【写真:田口有史】
日本ハム時代の大谷翔平【写真:田口有史】

試合は0-2で敗戦…決勝点になるも「後悔はないです」

 バッテリーを組んだのは細川亨捕手だった。大谷に限ったことではないが「どういう試合でも1番打者に関しては捕手と打ち合わせをする」と立ち上がりについて入念な意見交換を重ねる。投じたのは内角への124キロのスライダーだった。結末はプロ野球史に残る本塁打になってしまったが、あの1球目になったプロセスを明かした。

「初球からインコースのスライダーは振ってこないだろうというところで、投げたボールが失投で真ん中低めにいった形なんです。1番振ってくる確率の低いところで、自分が球種的にストライクを取れる変化球がスライダーだったので、その選択をした。あの試合の1球目はそうやって相談して決めましたし、すごく思い入れがある1球でした。甘くなって完璧に打たれた形でしたけど」

 結果的に試合は0-2で敗れた。中田コーチの自責点も大谷の1発だけだったが「あの形で大谷くんに打たれた時点で流れは向こうにいっていた。自分の投げミスですけど、しっかり打ち合わせしたので後悔はないです」と笑顔で話す。大谷にも「毎年MVPを取るくらい、記録を打ち立ててほしいです」とエールを送った。伝説を残し続ける大谷の歩みは、確実に後世へと語り継がれていく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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