「40、50発の力がある」 日ハムに“大化け”候補…OBが断言「清宮より打てる」

万波中正の絶好のお手本は侍ジャパンでも活躍した岡本和真だという【写真:Getty Images】
万波中正の絶好のお手本は侍ジャパンでも活躍した岡本和真だという【写真:Getty Images】

万波がお手本にすべき打撃がWBCに「バットを最後まで操作できるから当てられる」

 万波は昨季、100試合に出場して14本塁打。ただ打率は.203に終わった。「長打力があるから、たくさんでていれば甘く打てるボールもありますよ」。清宮と同じく、長打力という強みをさらに生かすには、確実性を上げなければならない。「外のボールをどれだけ引き付けて、強く打てるか。そうするともっと変化球にも対応できると思うんです」と指摘する。

 田中氏は万波と初めて会った時に「スライダーが(バットに)全然当たりません……」と相談されたという。そして「練習すれば打てるようになるよ」と返した。「僕も(プロに)入った時そうでした。スライダーが真っ直ぐにしか見えなくて、打ちに行ったら曲がって行くんだから、当たるわけがない。でもスイングスピードが上がってきたらボールを引き付けられて、自然と打てるようになった。もちろんそのための練習はしましたがね」。

 現状は、変化球で攻められた時に「体勢が崩れる。特に万波は崩れ方が激しい」のが弱点だ。克服には、突き詰めればスイングスピードをさらに上げ、ボールをギリギリまで見てさばくことが必要になる。身体能力に優れた選手だが、体のキレやプレースピードはまだ上げられるという。「昨年に比べたら対応能力も少しは上がっているはず。どれだけボールを引き付けて、強く打てるか。前に出されるのではなく、右足の前くらいで打てるようになれば」と、期待をかけている。

 また、絶好のお手本もいる。巨人の主砲で、日本代表「侍ジャパン」の一員でもある岡本和真だ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のイタリア戦で、逃げていくスライダーをうまく拾って本塁打とした場面を見た田中氏は「あの打撃を万波も出来るようになるといいと思うんですよ。少し泳いでいたんですけど、バットを最後まで操作できるから当てることができる。そしてパワーがあるから、スタンドまで運べる」。万波には岡本以上のパワーがある。決して不可能ではないというのだ。

 今季、日本ハムの外野を見た時、昨季初の首位打者を獲得した松本剛外野手の左翼は「よほどのことがない限り動かないでしょう」と見ている。中堅は新庄監督にとっては2年越しの起用となる快足・五十幡亮汰外野手、右翼には阪神から移籍してきた、こちらも身体能力の高い江越大賀外野手と可能性を秘める選手が並ぶ。また昨季は大きな力になれなかった外国人打者も、新加入のアリエル・マルティネス捕手には期待できそうだ。田中氏がキャンプを訪れたのは、マルティネスが参加していたキューバ代表と練習試合を行った時期。「フリー打撃を見ていてもパワーがすごい。中日はなんで出したんだろうというくらい」と驚いた。

「新しい金村」の先発入りで生まれる2次効果…クローザーならさらに化けるのは?

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY